定期監督への対応とは

さて、定期監督の場合は、誰から申告をされているわけではありませんから、どの程度詳細に調査をするのかということについては、監督官の裁量による部分は比較的大きいと言えるでしょう。

監督官の裁量による部分が大きいということは、こちらの態度ひとつで、監督の内容が異なる可能性が高いということです。

例えば、監督官の指摘や意見に対して、会社の態度が反抗的であったりすると、『遵法意識が低い会社ではないか』との印象や、『何か隠しているのではないか』との疑いを与えてしまい、結果として、より広範囲に詳細に調査が行われることがよくあります。

その結果、調査の時間も長時間に及び、指摘される箇所も増え、抜本的な改善を求められる可能性が高くなるのです。

一方、監督官の指摘や意見に対し、素直に耳を傾け、法違反があれば改善していくという姿勢で、誠意ある対応がなされた場合は、調査の時間も比較的短時間で済むことになるでしょう。

しかし、監督官にもいろんなタイプの人がいますので、人としてソリが合わなかったりする場合もあるでしょうし、そもそも労務管理状況を調査して、あれはダメ、これはダメというように、労働基準法違反を指摘されるわけですから、会社としても、気分が良いわけありません。

しかし、そのようなときでも、表面上は反抗的な態度を示さず、その怒りをグッと腹の中に収めるようにするのがベターです。

言うなれば、『頭を下げて、言うことを聞かない』という姿勢を貫きます。

監督官は、公務員として公平な立場で調査をするのが仕事ですが、監督官と言っても、やはり人の子なのです。

調査において監督官が受けた心証によって、その調査結果は大きく変わってくることもあるということを、肝に銘じておくことが必要です。

したがって、調査を受ける場合の、会社の姿勢としては、監督官の意見・指導には、素直に聞き入れ、改善の意思があるという姿勢を示すことが第一です。

しかし、指摘を受けないように、調査前に書類を改ざんしたり、虚偽の申告や報告を行ったりすることは、もっての他です。

監督官は、虚偽報告等に関しては、かなり厳しい態度で臨みますので、送検も十分あり得ます。

そうは言っても、監督官としての職務を逸脱するような言動があった場合には、抗議をしても構いませんし、我々も調査に同席する場合には、そのような是々非々の対応を心掛けています。

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