労働基準監督官の調査の目的は?

Answer

監督官が、事業場を監督する目的は、事業場における「雇用・賃金・安全・健康」が確保されているかどうかです。

監督官は、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法等に照らして、これらの法律を遵守しているかどうかを調査し、法違反があれば、「是正勧告書」を交付します。

また、法違反とまではいかなくても、法の趣旨から改善が望まれる点があれば、「指導票」を交付して、事業場に対して改善報告を求めてきます。

憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定められており、最低限度の生活を営むためには、人間らしく生きていくための賃金、つまり最低賃金が決められていて、「雇用」と「賃金」が守られなくてはなりません。

さらに、その前に「健康で」という文言が記載されていますから、使用者は労働者を使う以上は、会社でケガや死亡事故、あるいは過重労働で精神障害にしてはいけません。

労働者の安全と健康は、使用者が絶対に守らなければならない、最重要項目ということです。

また、憲法27条2項には、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」とあり、それを受けて制定されたのが、労働者保護の法律である「労働基準法」なのです。

そして、労働基準法の中に含まれていた、最低賃金に関する条文と、安全衛生に関する条文が独立して、それぞれ「最低賃金法」、「労働安全衛生法」となったわけです。

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