固定残業手当手当とは?

Answer

現実の時間外労働等の有無及び長短にかかわらず、一定時間分の定額の割増賃金を支給し、この他には時間外労働等に対する割増賃金を支給しないことを、「固定残業手当」といいます。

例えば「営業手当は、月間20時間分の時間外手当を含む」とか「1日1時間分の時間外労働割増賃金を含めて1日1万円とする」といった賃金の定め方がそれで、こういった決め方も、適切に運用されているのであれば、割増賃金を支払っているものとして適法となります。

しかし、現実の時間外労働により発生する割増賃金が固定残業手当を超えた場合に、固定残業手当しか支給せず、それを超えた差額賃金を支給しないということは、違法であり、このような場合、労働者は差額賃金を請求することが可能になります(S63.10.26 大阪地裁 関西ソニー販売事件、S63.5.27 東京地裁 三好屋商店事件)。

適法に固定残業手当を導入するためには、就業規則、賃金規程、労働契約などにおいて、明確に定めてあることが必要です。

何の定めもない場合や、割増賃金の額が不明確な場合には、「基本給の中に割増賃金が含まれている」という主張自体が認められないので、注意が必要です。

前へ  次へ

このページの先頭へ